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理事のリレーメッセージ

理事10名が個人の経験や考えについて、毎月交代でメッセージをお送りします。

   

2020年度(2020年4月~2021年3月)

2020年8月 理事のリレーメッセージ

感染症と試行錯誤

夏の滝

中国発生の新型コロナウィルスは、明治以降の日本における2回目のパンデミックで、1回目のそれは1918年(大正7年)のスペイン風邪である。
スペイン風邪は、1918年春、アメリカ・カンザス州の陸軍基地の兵営で発生し、第一次世界大戦(1914年7月〜1918年11月)の最中の米軍の欧州派遣によって世界中にばら撒かれ、日本にも上陸した。その結果、世界人口の3割に当たる5億人が感染し、推計2000万人~4500万人が死亡したと言われており、我が国でも。日本内地の人口5600万人のうち45万人の死者を出したという。(余談だが、トランプ氏は対中批判の材料として「China Virus」を強調したが、これを続ければ、100年前の事象がブーメランとなって、同氏に大恥をかかせることになるかも知れない。)

当時の医療現場と政府・自治体は、今日と同様に必死に健闘し、マスク着用と患者の隔離という今日の3密対策と酷似した対策をとっていたという(マスクの無料配布も一部行われたという)。しかし、ウィルスの存在を科学的に認識できない医学的状況下で、政府による対策は奏功しないまま、1920年にスペイン風邪は自然消滅した。感染し尽くしたことによる感染拡大の限界を迎えたこと、それに生存者が免疫抗体を獲得したことが理由である。今日、5500名以上の死者数を出しているスウェーデンの新型コロナ対策は、この経験を想起したのであろうか。

今日ワクチンと治療薬の開発に2年ほどかかるといわれるなか、我が国の医療現場では、アビガンなどの既成の薬を投与し、病態によっては複数の既成薬を組み合わせて投与し、このような試行錯誤の末に患者を救済しており、その結果、7月20日現在で、新型コロナによる死者は988人という、死者の圧倒的な少なさを実現している。

政府がPCR検査を抑制してきたことを総括し、台湾、韓国、ニュージーランドに学ぶ点はあるけれども、感染のリスクを冒して職務に専念する医療従事者の懸命の試行錯誤の姿には尊敬の念を抱かざるを得ないし、感染予防に全力を投じて利用者の生命を守っている施設関係者の努力にも感銘を覚えます。

理事 板垣 光繁
(江東総合法律事務所弁護士)


 

2020年7月 理事のリレーメッセージ

Everyday is ……

ひまわり

家にいる時間が多くなる中、WOWOWで録画してある映画をみる機会が増えました。
「日日是好日」は主演の黒木華さんも見事な演技でしたが、「時間ですよ」のはまさん役や「寺内貫太郎一家」のきん婆さんと若いころから老け役をこなしていた樹木希林さんの存在感は50年後もさらに磨きがかかり、光っていました 。

淡々と流れる節気毎の茶道描写に、その時その時の人生の味わいを教えられます。
原作者森下典子さんはこう記しています。

雨の日は、雨を聴く 雪の日は、雪を見る 夏には、暑さを、
冬には、身の切れるような寒さを味わう
どんな日も、その日を思う存分味わう
お茶とは、そういう「生き方」なのだ
そうやって生きれば、人間はたとえ、まわりが「苦境」と呼ぶような事態に遭遇したとしても、
その状況を楽しんで生きていけるかもしれないのだ
私たちは、雨が降ると、「今日は、お天気が悪いわ」などと言うけれど、
本当は「悪い天気」なんて存在しない
雨の日をこんなふうに味わえるなら、どんな日も「いい日」になるのだ
毎日がいい日に……

同じ頃King Gnuの「The hole」のMVを視聴し、なぜか、同じ感覚をおぼえました。
この歌の一人称も二人称もすべて自分 つらい自分も 苦しい自分も 自分が見るあなたも
どんな時も自分なのだ 自分として毎日毎日を生きていき 自分をうけいれなくては……
私にはそう感じられました。

映画のラストシーンの「初釜」で 茶道の武田先生はこう囁きます。
「こんなふうになんでもないことを、来年もまた同じようにできることが、ほんとに幸せなんですねえ」。
そういえば、昨年亡くなった父はDay by dayとよく口ずさんでいました。
「平凡なれど 健やかな老を生きる 一歩一歩 ひと日ひと日」

春になると桜が咲き、山は笑う 新芽息吹き 青梅雨ひかる
夏になると日がのび 秋深まると木々が紅葉す
冬は温もりの日差しが 枯芝をねぎらう
私も一日一日を味わい、大切に生きていきたいと思います。

業務執行理事 坂本 卓穂
(府中市立あさひ苑 施設長)


 

2020年6月 理事のリレーメッセージ

生様を考える

あじさい

今、国民の全ての人々が老いも若きもかかわらず、自分の命乞いをしたくなるような事、そうです、新型コロナウイルスとの戦いです。こんな大変な時にこんな話はと思いながらですが、こんな時、必ず思い出すことがあります。

もう20年以上も前の事、自分が厄年の時です。山奥のお寺で子ノ権現(天龍寺)というお寺に厄払いに行った時のお話で、御住職が厄年は人生で一番悪い年回りなので、これより悪くなることはありません。今日からは谷底に落ちてしまった時の様に上に登るしかありません。新しい事を進める事もよし、転職もよし、転校もよしと言われ、心新たに前進する気持ちになりました。

新型コロナウイルスの感染症対策に取り組む時の心得として、自分が感染者になっているつもりで、他者に気づかい感染させぬ様な対応が必要です。

これ以上の悪化はないと無事を信じ、人々が一体となり上を向き登り続けたいものです。そして明るく平安な生活を願うばかりです。

理事 福岡 重男
(リスク管理担当)


 

2020年5月 理事のリレーメッセージ

老性自覚

バラ

このところ自分のおかしさに、改めて気付かされる。日常のありふれた行動の手順を間違えたり、どうしてこんな順序になってしまったのかと、戸惑ったりすることが少なくない。数日前の出来事をすっかり忘れていたり、何をしていたのか思い出そうとしても思い出せなかったり、それが一週間前のことから、次第に4日前、3日前と近づいてくるようなのである。
先日、75歳以上の免許証書き換え前に行われる、高齢者講習「認知症検査」で、16個ある絵を見せられ、1問の問いに答えた後に、どんな絵があったのか答える問題で、10個ほどしか思い出せず、苦労した。こうして無理やりにでも、高齢の自覚を強制されるのだが、認知・記憶の衰えの進行に改めて気付いた次第である。これまで授業や研修などで、老性自覚の必要を伝えてきたのだが、自分の老性自覚の気付きを迫られるとは…。

業務執行理事 小笠原 祐次


 

2020年4月 理事のリレーメッセージ

いつもとは違う新年度の始まりです

桜

新しい年度は新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、大きな不安と混乱のなかで迎えることになりました。
2020年度の事業計画案や予算案策定のさなかにこの新型ウイルス感染症拡大のニュースが流れ、矢継ぎ早に厚生労働省の通知や小中学校の休校が始まりました。

当法人も緊急深刻な大問題として対策本部を立ち上げて、まずは「職員自身が感染しないこと」「ご利用者への感染を防止すること」のふたつの目標に向かって取り組みました。

検温・手洗い・消毒・換気・除菌といずれもこまめに毎日つどつど繰り返す必須の取り組みとなりましたが、各施設長を中心に職員ひとりひとりが真摯に実行している姿に感謝しています。
一方でご利用者の制約された生活の不自由さや職員のストレスも心配になります。まだまだ油断できず緊張の日々が続きますが、一日も早い収束を願うばかりです。

新年度事業計画の実施は6月頃からの着手を目安として、当面はこの感染症対策・対応を優先いたします。
今年度もどうぞよろしくご指導ご支援のほどお願いいたします。

理事長 鈴木 恂子