理事のリレーメッセージ
理事10名が個人の経験や考えについて、毎月交代でメッセージをお送りします。
2023年度(2023年4月~2024年3月)
2023年5月 理事のリレーメッセージ
Melody & Poem
今日(こんにち)まで続く趣味のひとつに「音楽を聴く」というものがありますが
私の音楽へのアプローチには 幼少期より偏りがありました
クラシックから興味を持ったからかもしれませんが
歌詞のないメロデイに惹かれ その旋律に作者のおもいを想像しては
答えのない深みと荘厳さをリスペクトしていました
いまでも「トッカータとフーガ」や「ため息」に感嘆し
「Atom Heart Mother」や「ケルンコンサート」に心酔しているのはこのためでしょうか
若いころは歌詞があっても その意味まで深くは理解しようとせず
音の抑揚を味わっていたばかりでしたが
年を重ねて 詞の素晴らしさが感じられるようになり
両方を同時に楽しむのみならず 詩だけを またはメロデイだけを楽しむことが
できるようになりました
音も詩も それぞれの魅力を発しながらも 互いに相手を引き立てつつ
1+1が 2以上の輝きを放っている
その両面が 心に響くものが好きな曲となるのでしょう
ときに 一方が一方のよさを打ち消してしまうこともあります
たとえば日常の会話などでは 言葉選びが大切ですが
同時に発声も重要になってきます
言葉に 声の抑揚や大小というメロデイが加わることにより
発言者のきもちが 受け手に伝わる印象 ニュアンスがわずかに変化します
その時の双方の感情にもよりますが
ここに違和感を覚えると 誤解や嫌悪感が生まれてしまいます
特に価値観の異なるもの同士では 相手にどのように伝えるかがとても大切です
雨音でさえ 受け手の捉え方によって 心地よい響きにもなれば 不愉快にも聴こえます
家族・仕事仲間・友人等との日々の生活は いわばオペラの連続のようです
互いに 心地よい一幕一幕であるように心掛けたいと思います
業務執行理事 坂本 卓穂
2023年4月 理事のリレーメッセージ
事業計画と福祉サービス第三者評価
コロナ禍の三年間という長いトンネルを抜けて、出口のあかりがみえてきました。しかしウィルスが消滅したわけではなく、基本的な感染対策にしっかり取り組みながら従前の日常生活を回復する年度になりそうです。
昨年度は当法人の各施設は新型コロナウイルス感染症の陽性者の発生に伴い、新規入所者の停滞・自粛、各事業の休止等により日々の利用実績が低下しました。その上、光熱水費をはじめとする物価高騰の影響を受け、結果全ての高齢施設で厳しい財務状況に陥りました。
2023年度はご利用者、職員の日常生活の回復とともに財務状況の改善は喫緊の重要な課題となっています。
会計責任者である各施設長はサービスの質の向上、地域活動・災害対策、ICTの定着、組織活性化や職員育成、あるいは人材確保・定着、光熱水費をはじめとする物価高騰対策等々に加えて、収支状況の改善に真剣に向き合った新年度事業計画・予算になります。
事業計画の大切な柱のひとつは利用者サービスの質の向上です。そのために当法人全ての施設・事業は東京都福祉サービス第三者評価を年一回受審しています。
特別養護老人ホームをはじめ各事業ごとに受審し、評価を受けますが、そのなかで「組織マネジメント」の講評に「創業以来の理念が脈々と受け継がれています」「制度と人を繋げる」だけではない「入居者・家族に寄り添う」取組みは好感をもてます、とコメントされていました。
理念の共有、浸透、あるいは相談業務の質の向上はみえにくく、わかりにくい地道な取組ですが、評価者に評価していただけたことは、今後の大きな自信につながると思います。
それぞれの拠点で施設長を中心に、ひとりひとりの職員が事業計画にそって、利用者サービスの向上や地域支援に努める一年にしたいと願っています。
今年度もご指導、ご支援のほどよろしくお願いします。
理事長 鈴木 恂子