一年ぶりの再会
雛人形を見ると102歳のM様の事を思い出します。
昨年の今頃、M様と一緒に雛人形を見に行くと、七段飾りの中の一つの人形を30分以上もじっと見ていらっしゃいました。
その人形は、お雛様でもお内裏様でも、五人囃子でも三人官女でもなく…五段目に飾られている「仕丁の三人・三人上戸」の真ん中の、お顔が一番白い人形でした。
仕丁とは御所の雑用を司る者たちで、その三人は「泣き・笑い・怒り」の表情で作られている事が多いそうです。
M様が目が離せなくなっていた人形は…「泣き」の表情になるのでしょうか…ご自身も、何故目が離せないのかわからないご様子でした。
今年も一緒に雛人形を見て、その人形を抱いていただいた時、人形の帽子が頭から落ち、大笑いされていました。
これから先もずっと、この時期になると思い出す思い出がまた一つ増えました。
(ホーム6階 A)
施設からのおたより